奥歯でも見えないからと 抜けたままで放置しておくと、長い間に徐々に歯は移動して倒れてきて、飛び出して噛み合わせが狂ってしまいます。そうなれば上手くものが噛めないばかりでなく、隣り合わせの歯の接触が狂い、ものが良く挟まり虫歯を作る原因になったり、歯周病(歯槽膿漏)を引き起こしたり、また顎関節症の原因になったりします。
。口を開けると関節から音がする、大きく口を開く事が出来ない、関節に痛みがある、冷えると痛む、肩こりや頭痛..........などなど良い事はひとつもありません。

噛む事は、顎の関節を動かし脳に刺激を与える事で 脳を活性化させています。噛む能力が落ちるという事は それだけ脳の刺激が少なくなり老人性痴呆症と密接に関連していると、最近判ってきています。また噛めなくなると唾液の分泌量が低下し全身に影響を及ぼします。唾液に含まれるペルオキシダーゼという物質は発ガン性を低下させると言われ、よく噛む事はガン予防に繋がるとされています。
本来、人は物を噛んだ時の感触を歯根先端の感覚受容器で感じますが、入れ歯の場合は入れ歯の床が乗った はぐきの粘膜が感じるわけです。当然感覚は違いますし、軟らかい粘膜上に硬い入れ歯の床が乗っていても天然の歯の様には上手く噛めません。痛みがある場合もあるでしょうし、異物感が気になる場合もあるでしょう。
何より一番の欠点は入れ歯の床が乗っかっている部分の歯槽骨は長い間に吸収して下がってしまう事です。骨が下がってしまえば入れ歯の安定は悪くなりより大きな厚い入れ歯が必要になってきます。この状態が進行してしまうと入れ歯が合わないのでインプラントにしたいと考えても骨吸収が高度に進んでしまいインプラントが出来ない場合も少なくないのです。

生体には「異物排除気転」と呼ばれる 自分の体に入り込んだ余計なものを体外に排出しようとする性質があります。「チタン」という材料はこの異物排除気転がおきにくい金属なのです。最近では時計やメガネなどにも用いられていますが軽いばかりでなく、「体に優しい金属」と言われるのはこの理由からです。当医院で使っている『ITI Implant』はGREAD4チタンを用い、ただただ顎骨中にねじ込んだだけでなく、顎骨中に埋入されたねじの表面に新たに出来た骨とくっ付くように(オステオインテグレーションと呼ばれ、周囲の新生骨を取り込んで顎骨中でインプラントが完全に安定した状態)形態や表面性状が考えられています。
その形態や表面性状のお陰で、長さの短いものを用いる事が可能で、また骨内で安定した強度を持つまでの時間も短くて済みます。それはつまり骨の条件が悪く幅や深さが少ない場合にでも有利で、大きな長いインプラントのねじ(フィクスチャーといいます)を埋入する手術より体に対する侵襲も少なくて済み、手術してから歯の頭の部分を装着するまでの期間が短くて済むという事なのです。そして実際に歯の頭の部分を装着し噛むようになってからでも壊れたり、ダメになったりしにくいという事なのです。

インプラントが骨内で安定し上部構造体(歯の頭)を作って装着するには「オクタアバットメント」という8角形のジョイントを用いチタン製のねじと専用ドライバーで規定トルクで固定します。ねじで留める方が精度が高く、外す事が可能な事からリコールの際外して器械で洗ったりも可能ですし、周りのはぐきの状態を確認する際にも便利です。また例えば、後々隣の歯がダメになって抜いた後インプラントを埋入する必要が出た場合なども一緒に連結したものを作り直したりも出来ます。セメントでくっ付ける専用のキットも出てますがそんな理由からねじ固定を好んで用いています。

インプラントは顎の骨の状態や噛み合せによって適応、不適応があります。まず診断用の模型を作り可能かどうか、可能ならば顎の骨のどの位置に埋入するか、どんな長さのインプラントが適切か、どういう歯肉切開を入れるかなど、模型の上である程度の診断を行います。
次に骨の状態による位置決定ばかりでなく、噛み合わせに適した位置や審美性を考慮した形の良い上部構造体(歯の頭)を製作することが出来る位置を技工士さんと検討します
そのために「ステント」と呼ばれる透明の樹脂雛型を作り、X線写真で埋入位置の確認を行いますが、場合によってはこの時 完成後を想定したsetup模型(歯の入った状態を白い蝋で模した予想模型)を作る事もあります。
これにより歯肉の形態を考慮した審美的な切開方法などを決めていきます。診断に必要ならばこの時点でCTコンピュータトモグラフィー:断層撮影)や全身状態の把握のために臨床検査を受けてもらう事もあります。そして埋入手術になります。

インプラントを行った患者さんの場合は必ずリコールで来院してもらい、状態を確認する制度を取り入れております。手入れが悪かったり、他の歯がダメになり最初インプラントを入れた時と周りの状態が変化して負担過重から起きるトラブルを避ける為です。来院して貰ったらインプラントばかりでなく口腔内の状態を総合的に把握して早めにケアしていきたいという考えから行っております。

新生骨がインプラントの表面を確実に、しかも速く覆うようにインプラント体表面には処理が施されています。写真はSLAと呼ばれるタイプの電子顕微鏡写真で器械研磨されたままより、凸凹をつける事により表面積を増大し、この小さな窪みの中に新生骨が入り込む事によりより強固な安定が得られるのです。この分野の研究はITIインプラントは特に進んでおり、また迅速に製品へとフィードバックされています。


抜歯即時埋入/Immediate implantation 抜歯早期埋入/Early implantation (6-8週間後)

上げればきりがありませんが、一度ご相談ください。

インプラントを入れる部分の歯槽骨が狭窄して尖って幅が得られない場合、骨に切り込みを入れ広げてその間にインプラントを埋入する方法。骨折させるのではなく例えて言うなら使う前の割り箸の間に指を入れ広げる状態が近いです。
インプラント埋入予定の部分に骨が足りない場合、骨を作って幅や高さを増大させ条件を整えます。まず先に増大させた後、埋入する場合と、インプラントの埋入手術と同時に行う場合があります。自分の顎骨の他の部位から採取した骨片、又は人工的な骨充填材を用います。骨充填材はβ-TCPという骨誘導蛋白を含有し、吸収と同時に新しい自分の骨に置き換えていく優れた材料です。 B
上の奥歯の上方(鼻の横辺り)には「上顎洞」という空洞があります。副鼻腔と呼ばれるもののひとつです。この空洞が大きく下がっていて骨に深さが取れない場合は、インプラント埋入可能な深さまで空洞の底辺を挙上する手術を必要とする事もあります。
しっかりと支えるだけの厚みが無いとインプラントは落ち着かない。(ベニヤ板に釘を打ってもグラグラな状態を想像してください) 挙上するには色々な手術法がありますが、インプラントの埋入時に上顎洞底のシュナイダー膜を傷つけないようインプラント窩を形成し、骨充填材とインプラントのヘッドで押し上げる手術(SocketLift)は比較的簡単でリスクも少ないので当医院で行います。
骨は例えて言うならスポンジ状です、密度が高ければ問題はありませんが軟らかくスカスカの骨には安定しにくい。そういう骨状態の場合は、小さなドリルで形成したインプラント窩を専用のボーンコンデンサーを用いて広げていき、周りの骨を圧縮して密度を上げそこにインプラントを埋入します。場合によっては骨充填材などを併用することもあります